キリスト教カトリック教会の教皇庁は5月8日、第267代のローマ教皇にアメリカ出身のロバート・フランシス・プレヴォスト枢機卿が選ばれたと発表した。アメリカ出身者として初めて教皇に選ばれた。教皇名は「レオ14世」。
教皇選挙会議(コンクラーベ)が開かれていたシスティーナ礼拝堂の煙突から同日午後6時過ぎに白煙が上がり、新教皇の誕生が世界に伝えられた。
新教皇レオ14世は世界に向けた初めてのメッセージで、「私たちは平和を常に求める教会、苦しむ人々にいつも寄り添う教会でありたい」と宣言した。
参考:NHK、朝日新聞、Reuters、BBC News、カトリック中央協議会
<ミニ知識>
ローマ教皇
ローマ教皇はキリスト教の3大教派の一つ「カトリック教会」の最高指導者。世界で約14億人の信者がいるとされるカトリック教会のトップであり、国際政治にも影響を与えうる存在でもある。だからこそ国際的な調和、国際秩序を安定させることができるローマ教皇が求められる。
コンクラーベ
カトリック教会の最高位聖職者であるローマ教皇を選ぶ会議のこと。前教皇が死去あるいは退位してから丸15日が過ぎた後、開催される。会場はミケランジェロの「最後の審判」で有名なバチカン市国のシスティーナ礼拝堂。投票権をもつ枢機卿以外、だれも立ち入ることができない秘密の会議だ。今回のコンクラーベには80歳未満の枢機卿133人が参加した。
教皇名
新しい教皇の名前は、選ばれた本人が教皇になることを受け入れて、自分で決める。教皇になるという使命のもと、忠誠心や教皇としての姿勢の表明にもなる。
バチカンの報道官によると「レオ」の名前は、民主主義や労働者の権利を擁護したレオ13世(1878~1903年に在位)以来で、「人工知能(AI)が台頭する現代における人々の生活や仕事に向けられたものだ」と述べた。