熊本県御船町にある約1億50万年前~6600万年前(後期白亜紀)の地層から発掘された化石が、空を飛ぶ大型の爬虫類「翼竜」の新属・新種だったと判明し、「ニッポノプテルス・ミフネンシス」と命名された。御船町恐竜博物館や熊本大、北海道大などの研究チームが発表した。日本で見つかった化石から翼竜の学名が付けられるのは初めてだ。
参考:朝日新聞、読売新聞、御船町恐竜博物館 ほか
<少し深掘り>
◎翼竜は、恐竜と同じ時代に生息した大型の 爬虫(はちゅう)類。膜状の翼で空を飛ぶ。
◎「ニッポノプテルス・ミフネンシス」は、ラテン語で「御船産の日本の翼」の意味。翼を広げた長さが10メートルを超える最大級の翼竜ケツァルコアトルスの近縁だとされる。
◎化石は翼竜の頸椎(けいつい)の骨で、町教育委員会が1996年に発掘して、首の長い大型翼竜「アズダルコ科」の仲間と分かっていたが、比較できる化石が少なく、属や種など系統を明らかにできていなかった。研究チームは化石を再検討し、CTスキャナーを用いた分析や、その後に見つかった約200種の翼竜化石との比較によって、特徴が他の翼竜と異なることから新属・新種と結論付けた。