台湾の沖合の海底で見つかった人類の化石が、現在の人類と共存していた異なる系統の人類、デニソワ人のものだったと判明した。東京大学、総合研究大学院大学などの国際研究チームが発表した。デニソワ人の化石がアジア北部以外で見つかったのは初めてで、デニソワ人がアジア南東部でも暮らしていたことが分かる貴重な発見だとされている。
参考:NHK、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、東京大学総合博物館、九州大学、ほか
<ミニ知識>
デニソワ人は、現在の人類(私たち)ホモ・サピエンスやネアンデルタール人と共存していた異なる系統の旧人類。細胞核のDNAの解析の結果、80万4千年前に、ホモ・サピエンスとの共通祖先から、ネアンデルタール人の祖先が分岐し、64万年前にネアンデルタール人から分岐したのがデニソワ人であることが推定された。ネアンデルタール人やホモ・サピエンスと比べて、デニソワ人の顎と歯は頑丈で、ごついことも明らかにした。
現生人類(ホモ・サピエンス)とも交雑したと考えられていて、日本人を含む現生人類のDNAにもわずかに遺伝情報が残っている。
ネアンデルタール人(やデニソワ人)の絶滅した理由はいまだにはっきりとは解明されていない。
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人類の進化を考えることは、かつて地球上から姿を消した「人類がいた」ということを知ることでもあるかもね。