中部電力は3月17日、廃炉を進めている静岡県御前崎市の「浜岡原子力発電所2号機」で原子炉の解体工事を開始したと発表した。商業用原発で原子炉の解体が始まるのは国内で初めて。1号機も来年度に解体作業を始める。
1号機、2号機ともに2035年度までに原子炉の解体を終え、原子炉建屋の解体撤去などを含めた廃炉の完了は2042年度になる見通しだ。
一方、廃炉によって金属やコンクリートなどの放射性廃棄物がおよそ2万トン発生すると見られているが、処分先は決まっていない。中部電力は「廃棄先が決まるまでの間、建屋内で安全に保管する」としている。
東日本大震災以来、止まったままの3号機から5号機は、再稼働を目指している。
参考:NHK、中部電力、朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞ほか
<少し深堀り>
● 日本政府は東日本大震災で起きた福島原発事故の後、原発稼働期間を原則40年として、原子力規制委員会の承認が出た場合には1回に限り、例外的に20年まで延長できるように規制を強化した。事故前は30年の稼動後、10年単位で繰り返し延長が可能だった。
● 原発が廃炉になる理由は、地震や事故、老朽化、採算の悪化などさまざまある。
浜岡原発1号機と2号機は、原発の耐震指針に対応するための補強費用が大きいとして、2008年に廃炉が決まっていた。
●浜岡原発1・2号機のほか、日本の商業用原発では、福島第一原発などこれまでに24基の廃炉が決まっている。
<確認しよう>
◎日本で初めて原子炉の解体工事を開始したのは静岡県の「 」原子力発電所
◎廃炉の完了は「 」年になる見通し