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京都大学の柏原特任教授が「数学のノーベル賞」アーベル賞を日本人で初めて受賞

数学界のノーベル賞と言われる「アーベル賞」の今年の受賞者に、京都大学の柏原 正樹(かしわら まさき)特任教授が決まった。ノルウェー科学文学アカデミーが3月26日、発表した。傑出した業績をあげた数学者に贈られるアーベル賞を日本人として初めて受賞した。
同アカデミーは「彼の研究は現代数学の最前線であり続け、何世代もの研究者にインスピレーションを与え続けている」「誰も想像しなかった方法で驚くべき定理を証明してきた」とたたえた。

参考:京都大学、NHK、朝日新聞、日本経済新聞

<ミニ知識>

数学は「解析」「代数」「幾何」の3つの分野に分けられ(高校生になるとこれらの用語が使われるよ)、柏原さんの理論は、微分や積分などを用いる「解析」の分野に属しながら、3つの分野すべてに関わり、数学のさまざまな分野に応用されてきたとのこと。多分野の研究をつなぐ独創的な思考は「日本と南極を結ぶ壮大な橋を築いたようだ」といわれた。

アーベル賞は2002年創設の比較的新しい賞。毎年受賞者が発表され、賞金はノーベル賞とほぼ同額。60歳以上の経験豊かな数学者が受賞する傾向にあり、過去には、数学者を350年悩ませてきた「フェルマーの最終定理」を証明したアンドリュー・ワイルズさんや、映画「ビューティフル・マインド」(2001年)のモデルとなったジョン・ナッシュさんが受賞している。

柏原さんは10歳の時、つるかめ算を小学校で学んで興味を持って、数学の道へ進んだんだって。すごいね。