コンテンツへスキップ

ベトナム戦争終結から50年の記念式典が開催

ベトナム戦争が終結して50年となった4月30日、南部の都市ホーチミンで記念式典が開催された。軍による大規模パレードや編隊飛行などが行われ、終戦から半世紀の節目を祝った。パレードには中国やカンボジア、ラオスの軍も加わり、国営メディアによると1万3000人以上が参加した。

参考:NHK、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、Reuters、ほか

<少し深掘り>

◎式典が行われたホーチミンは、かつてサイゴンと呼ばれていた南ベトナムの首都。1975年にベトナムが統一された後、ホーチミンと改名された。

◎ベトナム戦争は1955年ごろ始まり、1975年まで約20年間も続いた。当時、南北に分断されていたベトナムで、社会主義の北ベトナム(ベトナム民主共和国)と資本主義の南ベトナム(ベトナム共和国)が戦い、東西冷戦中に起こったアメリカとソビエトの代理戦争とみなされた。

◎アメリカはアジアで共産主義が拡大することを恐れて1965年に本格的に介入した。しかし北ベトナム軍と反アメリカのベトコン(南ベトナム解放民族戦線)によるゲリラ戦のまえに思うように勝てず、戦況は泥沼化した。米軍は撤退を決め、1973年にパリ和平協定が締結された後、1975年4月30日にサイゴンが陥落して戦争は終結した。犠牲者は約300万人にのぼったとされる。

◎北の勝利で終わったベトナム戦争で、米軍は史上初の敗戦を喫した。米政府によれば、米軍にも約5万8千人の死者が出た。南北統一した後も、米軍が散布した枯れ葉剤の影響とみられる健康被害や、膨大な数の不発弾が残っていることが課題となっている。